スティーヴン・キング「タリスマン」読了

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「タリスマン」The Talisman (1984年)
スティーヴンキング&ピーター・ストラウブと共著

主人公のジャック・ソーヤーは12歳の少年。
癌で死期が迫ったの母とニューハンプシャーのホテル「アルハンブラ・イン」で暮らしている。近くの遊園地で知り合った黒人の老人スピーディから、タリスマンがあれば母は助かると聞いたジャックは、母を助けたい一心で母の了解を得て単身、西海岸への旅に出る。
スピーディーに貰った"魔法のジュース"を飲みかつて自分がよく見ていた「白昼夢」の世界に跳躍"フリップ"したジャックは、そこに"テリトリー"と呼ばれる中世のような剣と魔法の異世界が現実にあることを知る。


こうして現実の世界とテリトリーを行ったり来たりしながら、ジャックの苦難の道のりが描かれて行くんですが、最初のうちこそ、異世界"テリトリー"のファンタジックな描写に和まされるものの、そこはキングが関わってる以上、やがて話は、残酷(時に下品)に展開していきます。「呪われた町」や「ザ・スタンド」にくらべると多少、言い回しにしつこさがなく(笑)らしからぬ部分も見受けられますが、状況的にはかなり過酷。

って、もう、なかなか進まなくて…
気がつくとウトウトしててまた同じページを読んだりして…。
ジャックと幼馴染みのリチャードが、これでもかと酷い目に合わされて肉体的にも精神的にもボロボロになっていくってのが、まさにキングとストラウヴによる
「俺 は こ ん な に 酷 い 事 を 思 い つ い た ん だ ぞ ~ 合 戦」とでも言いましょうか。
互いに底意地の悪い「悲惨比べ」しながら書いてるんじゃないのかってくらい凄くて、まだ12歳の少年がムチ打たれたり、強制労働させられたり、怪物に襲われて怪我したり、挙げ句の果てに家出少年として強制収容所のような教会に入れられてしまい極悪な牧師に拷問されて上巻のおわりからほとんど心が折れっぱなし。とにかく肉体的傷つけられ方が読んでて辛い。
ちょっと光が差したかと思うとすぐにどん底に突き落とされること数回。これでもかってくらい打ちのめされてグッタリなっていたんですが、やっぱりそこはキング!どん底につき落としたあとの持ち上げ度が半端なくて、まさにこの至福の感覚を味わうために、私の心も痛めつけられてたんだよって感じで、その爽快感に酔いました。

解説にも書いてありましたし、本編でも匂わせてますが、このお話「トム・ソーヤの冒険」と「ハックルベリー・フィンの冒険」オマージュ作品なんですね。主人公の名前もジャック・ソーヤだし、それに黒人のスピーディは「ハックルベリー」のジムが原型で、これは「シャイニング」でもそうなんですけど、主人公を助ける黒人というキャラクターにキングが相当入れ込んでるんじゃないかと想像します。他にも「ザ・スタンド」の知恵遅れのトムにあたるウルフが、これまた良い味だしていて泣かせてくれます。私としてはこれらのキャラを見るとどうしても「指輪物語」の最愛のキャラ ( 映画ではセオデンだけど ) "決して知恵者ではないが主人思いで健気でバカ正直な" サムを重ねてしまい、それだけでトムやウルフのことをひいき目で見てしまいます。もちろんふたりともサムに負けないくらい愛すべきキャラですけど。

また「タリスマン」については…「指輪物語」のワンリングに当たるんじゃないのかなあと思ったんですよね。全宇宙(平行宇宙)全てを統べるものだったと。もちろん今回も作中に「指輪物語」にふれている箇所が幾つかあってキングの「指輪物語」への愛をひしひしと感じました。
…というわけで「ダークタワー」への関連性はあったのかと言うと、ないんですが「ダークタワー」の1巻と2巻の間の作品なので、ここで描いた平行宇宙がダークタワーの布石になったことは間違いないと思います。さてと、次は「IT-イット-」全4巻に取りかかるとしますか。1巻か2巻までは読んでいるんですけど、あまり覚えてないから今度こそ最後まで読まなければ!ジャックとリチャードが辿った道のりを考えれば屁でもありませんね。(笑)

[ダークタワー関連の本]
呪われた町 Salem's Lot (1975年) ← 読了
ザ・スタンド The Stand (1978年) ← 読了
ダーク・タワー 第一巻「ガンスリンガー」 The Gunslinger (1982年) ← 読了
タリスマン The Talisman (1984年) ← 読了
IT-イット- It (1986年)
ドラゴンの眼 The Eyes of the Dragon (1987年)
ダーク・タワー 第二巻「運命の三人」 The Drawing of the Three (1987年)
ダーク・タワー 第三巻「荒地」 The Waste Lands (1991年)
不眠症 Insomnia (1994年)
ローズ・マダー Rose Madder (1995年)
デスペレーション Desperation (1996年)
レギュレイターズ The Regulators (1996年)
ダーク・タワー 第四巻「魔道師と水晶球」 Wizard & Glass (1997年)
アトランティスのこころ Hearts in Atlantis (1999年)
エルーリアの修道女 - The Little Sisters of Eluria (1999) 『第四解剖室』に収録
ブラックハウス Black House (2001年)
なにもかもが究極的 Everything's Eventual (2002年)『幸福の25セント硬貨』に収録
ダーク・タワー 第五巻「カーラの狼」 The Wolves of the Calla (2003年)
ダーク・タワー 第六巻「スザンナの歌」 Song of Susannah (2004年)
ダーク・タワー 第七巻「暗黒の塔」 The Dark Tower (2004年)


 今日のメモ

体調はまあまあです。
昨日ブロ友のOrganaさんから「スターウォーズ新聞4号」を送って戴きました。
Organaさんありがとうございました!
新聞をみて気がついたのはポスターの中央に描かれている
ルピタ・ニョンゴ演じるマズ・カナタって、あれ、メガネ掛けてたんですね!
もしかしてヨーダみたいな存在なのかなあ。
ナレーションの「フォースがお前を呼んでいる」も彼女なのかも。
それからこれは新聞とは関係ありませんが、
カイロ・レンを演じるアダム・ドライバーが「あさが来た」で
宮部(炭坑支配人)を演じている梶原善さんに似てると思ってるのは私だけ?

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